経営管理ビザの取得その2
海外にいる外国人が日本に自分で会社を設立し経営していく際の手続きを確認します。
在留資格の「経営管理ビザ」は2015年3月までは「投資経営ビザ」と呼ばれていました。
日本で事業の経営や管理に従事する活動を行うために必要な在留資格です。
日本で会社を設立するためには、定款を認証し、設立登記を行う必要があります。
海外にいる外国人が誰の協力も得ず、この会社設立手続きを行うのは限りなく不可能に近いと思えます。日本に協力者がいて一時的にでも新会社の役員に就任してくださる協力者がいれば可能です。まず一般的にネックになるのは海外にすむ外国人(経営者になる方)が資本金を振込むための口座を保有していなことです。海外にいる外国人は日本に口座をもつことはできません。仮に短期滞在で日本にいる間に口座を開設しようと思っていても金融機関は認めていません。そこで協力者の口座が必要になるわけです。協力者に発起人になってもらいその方の個人口座に資本金を振り込む必要があります。
また、振込するタイミングですが、定款認証日後に振り込む必要があります。海外送金で振り込む場合には振込日程にも注意が必要です。金融機関の個人口座の保有の問題が日本にいる外国人と海外にいる外国人の違いはありますが、その他の流れは一般的なものとなります。
会社設立までのステップは以下の通りです。
1.会社の定款を作成
2.資本金を口座に入金
3.商業登記を行う
4.税務署への届出
5.事業の許認可取得(必要に応じて)
資本金は500万円以上を個人口座に振り込みます。経営陣が複数いても合計500万ではなく、一人ひとりが500万円以上出資していることが経営管理ビザを取得する上での条件となります。
登記する会社の住所は当初は自宅住所でも構いませんが、経営管理ビザを申請する際には自宅のままだと認められません。申請前に事務所住所へ変更登記をしておく必要があります。新規登記申請は約1週間かかりますが申請日が設立日となります。
そして、
6.経営管理ビザの申請
在留資格変更許可申請に事業計画書、その他各種証明書を添付し入国管理局へ申請を行います。
会社設立の手続きを終えて、最後に経営管理ビザの取得申請になりますのでここで不許可になることは避けなければなりません。慎重にも慎重を重ね準備をして計画的に進めましょう。
なお、会社設立にかかる費用として定款認証手数料や印紙代(電子申請なら不要)、登録免許税などがかかります。おおよそ25万円から30万くらいです。
海外にいる外国人が日本に協力者を得て会社設立し、経営管理ビザを取得するには通常よりさらに注意事項も多いのでハードルが高いと感じるかもしれません。